2005年2月2日 ハブのガタ トイチがおかしい･･･。 違和感に気付いたのは先日地元のディーラーでハブベアリング交換をしてからまもない頃。 試しにジャッキアップしてみても特に異常はなし。 でも確かに違和感はあるんです。 フルブレーキングからのターンイン、特に左コーナへのアプローチ時にフロント周りから何か違和感のようなものを感じる。 アンダーステアやオーバーステアが発生するわけでもなく、走りはいつもとなんら変わりなし。 でも、ステアを切っていった瞬間に心のどこかで引っ掛かるような感じがする。 もしかしたら気のせいなのかもしれない。 でも一度気になってしまうとそれ以上踏むことはできなくなる。 それから数日。 ついに異音が現れました。 左へ曲がる際に「ギリギリ」という音と、シフトアップやアクセルの微妙なオン･オフで「カコッ」という音が発生するのです。 経験からこれはハブ周りだろうと判断し、試しにタイヤを揺すってみるるとやはり右フロントにガタがあった。 原因と思われるガタを発見し、すぐにディーラーへとクルマを持って行きます。 異常が見られるのは先日修理したばかりの箇所なので、本来ならば同じディーラーで見てもらうの一番なのですが、さすがにそのためだけに実家へ戻ることも出来ないので仕方なくいわきのディーラーへ。 俺は異音の出る箇所と症状を伝えて診断を待ちます。 やっぱりハブ周りのガタが原因だと言われるんだろうなぁーと思って構えていると、先ほどクルマを渡した方がもう戻ってきました。 そして返ってきた言葉は「特に異常ありません」という、予想もしていなかった言葉。 そんな馬鹿な！これのどこが異常無しなんだ？ あまりに予想外の結果で俺は言葉が出てきませんでした。 もっとよく見てくれよ！クルマを渡して３分もしないうちに結果を出すなんてないだろ！？ せめて実走チェックくらいしてくれよ！ もちろん納得のいかない俺はハブのガタについて質問しました。 するとこれまた意外な反応。 「確かにガタはありますがまぁ問題ないです」 ･･･これを聞いたら一気に冷めてしまいました。 突っ込んで聞いてみても受け答えに気持ちがさっぱり入っていないのがありありと分かってしまって、えらく温度差を感じてしまったような気がした。 お客は結構そういう部分に敏感だってこと知らないのかな？ もうこれ以上居るとイラついてくるのでさっさと店を出た。 さて、一応ディーラーからは大丈夫だとお墨付きをいただいたわけですが、どうしても納得できない俺はさらにもう１軒回ることにしました。 そこはいつも工具を借りたりしてお世話になっている修理工場です。 初めからここに来ればよかったのかもしれない。 さっそく実走で異音を確認します。 クルマの状態をうまく伝えるというのは本当に難しいのですが、俺の納得いくまで実走に付き合ってくれるのはとても安心できます。 次は実際に見て点検。 どうしてもハブが気になるので見てもらうと、明らかにこのガタが原因と言われた。 これは問題ありらしい。これを見て問題なしと言うのが信じられないということだった。 ディーラーってそんなもんなんだろうか？ それともそこまで求める俺がおかしいのだろうか？ とりあえずばらしてみるらしい。 タイヤを外し、ブレーキ関係を取っ払いハブナットを緩める。あざやかなもんですねぇ〜。 ここで本来なら、スライディングハンマーかプーラーを使ってハブを抜くわけなんですが、なんとちょっと手で引っ張ったらスルッっと抜けてしまいました！ すると、「やっぱりね」と言って状況を説明してくれます。 どうやら以前ハブベアリング交換をした際に、ハブ自体を交換していなかったらしい。 本来ならベアリング交換の際に磨耗するハブも交換するのが普通らしいのですが、それをしなかったみたいです。 左：ハブを抜いたところ　右：見づらいけど磨耗したハブ その磨耗は目で見ても分かるくらいで、普通なら交換するのが当然とのこと。 そういえばいつもディーラーでは28000円くらいしていたものが、その時は20000円で済んでいたっけなぁ。どうやらその差額がハブらしいです。 ディーラーによっても値段が違うのだろうか？なんて思っていたんだけど、まぁーそんなことあるわけないわな。 これはクレームが効くということで、ハブベアリングを交換したディーラーへ電話。 こちらから見積もりを送り、後日連絡が来るらしい。あとは連絡待ち。 修理はこちらのディーラーでやるということになるのだろうか？できればこの店でやっていただきたいものだが･･･。 今回はずいぶん勉強させていただいた気がする。 信頼できる店というものを見つけておくというのが、いかに大切かということが分かった。 そういえば昔、俺が絶対ハブ周りかドラシャだと言うのに「いえ、ステアリングラックです！」と言い張って部品を発注した挙句、作業に取り掛かってみたら「やっぱりハブでした」なんていうことをしてくれた店があったっけな。 しかも、パワステフルード交換とかで8000円プラスされてた。 いきなり電話で、「なんかステアリングが重いので交換しておきました」なんて言ってたんだけど、受け取ってみたらさっぱり変わってなかった。 もしかしてスーパーストラットがもともとある程度重ステなんだと知らなかったのかなぁ？ まぁ、それからはその店には一切顔を出してないけど。 やっぱりそういう態度みたいなのって客からしてみればすごい気になるんだよね。 せめてもっと説明してくれるとかそういうのが無いと、こちらの心も一気に離れる。 それにしても、今回もしもあの時『問題なし』という言葉を信じきってあのまま走り回っていたら、後から確実に他へも支障をきたすようなことになっていたでしょうね。 大きな負荷をかけるようなことをしなくてよかった。 ちょっと前に言われた、『どんなにクルマを知ったメカニックよりも、ときにはそのクルマを愛するオーナーが何気なく感じたことの方が正しい時があるんだよ』という言葉が今回ようやく理解できたかもしれない。 昔は『クルマを想う』という感覚が分からず、足周りにダメージを抱えたまま走り込んでいた。 『どうしてもダメになったら交換すればいい』 その考えがどれだけのダメージをクルマに与えるか知らなかった。 『いくら部品を新しくしても足周りのダメージは目に見えない形でどこかに残る』 そのことに気付いた時にはすでに立ち直れないクルマになってしまっていた。 俺の無知と思い込みで１台のクルマを再起不能なまでに痛めつけ廃車へと追い込んだ。 俺はもうクルマにそんな負担を掛けたくない。 もしも自分のクルマの足周りで違和感を感じたりしたら、まずよく調べてみるといい。 自分の診断に自信が無ければ、やはり信頼できるところで見てもらうべきだ。 そして納得できなければ何件でも回る。診断や見積もりなんてタダだもんねぇ。 クルマがボロボロになって走れなくなる姿を見たくないのなら、絶対に妥協はしないこと。 そしてできるだけ早く直しましょう。 足周りのダメージはあっという間に悪化することもあります。